第一章 現代ゲーム私論 1
第一章 关于现代游戏的愚见 1
その日、中野にある職場を出た倉田太一は、総武線で新宿まで行き、そこでJR山手線に乗り換えた。もう八時過ぎだというのに外気温は三十度を超したままだ。少し前にどこかの駅で人身事故があったらしく電車が遅れ、束の間の涼を求めたはずの車内は、期待に反する結構な混雑ぶりであった。
那一天,从中野某个车间离开的仓田太一乘坐总武线去新宿,并在那里换乘了JR山手线。明明已经八点多了,但外头的气温却超过了30度。在不远的前方某处似乎发生了人员伤亡事故,电车行驶变缓,本想寻求一丝清凉的车内却有悖于期待,拥挤不堪。
いつもよりゆっくり目に新宿駅を出発した電車は、まだダイヤが乱れているのか途中で小休止したりしながら次の代々木駅へ向こう。遅れを詫びるアナウンスに、車内のどこかからちっと舌打ちが聞こえた。
以比平常更慢的速度从新宿车站出发的电车,又因时刻表紊乱,在途中停了一会儿才又继续开往代代木车站。对于因迟到而致歉的车内广播,可以稀稀疏疏地听到有人在咂嘴表示不满。
七月二十四日の午後八時半過ぎのことである。日時を覚えているのは、その日が自宅近くの花火大会だったからだ。倉田の家族がそれを見物にいっているはずだった。花火は七時半から八時半までの一時間。もし仕事が早く片づくようだったら合流しようよ、と長女の七菜からいわれていたが、結局間に合わなかった。もっとも、この暑いのに人混みの中に行くのは気が進まず、倉田自身、あもり積極的ではなかったということもある。
这是7月24日晚上8点过后的事情。之所以记得时间,是因为那天在自家附近有烟花大会。 仓田一家人本来打算那天要去观赏的。烟花大会从七点半开始到八点半结束,历时一个小时。虽然长女七菜曾对他说如果工作能够早点结束的话就跟他们一起汇合,但最终还是没赶上。但这原本也跟在酷暑之中还要穿越人群极其不痛快有关,所以仓田本身积极性也不高。
代々木駅でドアが開いたところで、入り口付近にいた倉田は押し出されるようにして一旦、電車の外に出なければならなかった。東京の電車ではよくあることだが、混雑しているときにはドア付近の客は一旦車外に出て、客が降りてからまた乗り込む。どこかで花火大会があったのかホームには浴衣姿の若者がちらほらと混じり、夏の夜らしい余韻をほのかに香らせている。
到达代代木车站后,把车门打开时,只要推一把在出口附近的仓田,他就必定会掉到车外。对于东京的电车来说这是常有的事,车内混乱的时候,只要车门附近的乘客一出去,乘客便会接连下车,然后再上车。也不知道在哪边举办烟花大会,站台上稀稀落落的混杂着穿着浴衣的年轻人,弥漫着夏日夜晚的风情味道。
花火はともかく、浴衣姿を見るのはなかなかいいものだな。そんなことを倉田が思ったときのことである。すぐ近くの階段を上がってきた若い男が、人の列を無視して車内に入ろうとした。きゃっ、という声があがり、男の肩に突き当てられた浴衣姿の娘がよろめく。
先不说烟花,光是看到穿浴衣的人就是极好的。这就是仓田当时的想法。从旁边楼梯上来的年轻男子,无视排队的人群想要进到车内。突然响起“啊”的一声,一个穿浴衣的女孩子被男人的肩膀撞了一下,摇摇晃晃的。
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