東洋では、インドに起源を持つ香料が極東に普及する過程で、西洋とは対照的な香りの文化が発展します。白檀や沈香、スパイスを焚いて死者を来世に送る習慣があった古代インドでは、王侯貴族が香膏を体に塗り、芳しい香煙を楽しんでいたことがバラモン教の聖典『ヴェーダ』(BC5以前)に記されています。中国で香料が線香や薫香に用いられるようになるのは六朝時代(3~6世紀)になってからのことです。シルクロードが開通した紀元前2世紀以降も、香辛料が利用されていたことを除けば、ヨーロッパやインドのように食品加工や装身に香料を用いることはありませんでした。
东方的香料文化发展与西方有着鲜明对比,其过程开始于印度,而后普及到远东地区。古代印度,人们有焚烧白檀、沉香等香料,送死者到来世的习惯。印度教的圣典《吠陀》中就记载,王公贵族在身上涂抹香膏,在香烟的芳香中陶醉不已。而在中国,开始将香料用于线香、熏香则是进入六朝时的事了。即便是在丝绸之路开通后的公元前2世纪以后,除了运用香味调料以外,中国也并不像欧洲和印度那样,把香料用于食品加工和装饰上。
香は6世紀の飛鳥時代に仏教伝来と共に日本に伝えられ、奈良時代になると、唐の鑑真和上が沈香や白檀など数種類の香薬を調合して作る薫物を日本に伝えます。初めは供香(そなえこう)として仏前に用いられましたが、平安時代には、宮廷を中心に空薫物(そらだきもの)として部屋や着物に香をたきしめる風習が盛んになりました。
6世纪的飞鸟时期,香伴着佛教的传播来到了日本。唐代的鉴真和尚把运用沉香及白檀等多种香料调制而成的熏香带到了日本。首先是将其作为佛像前的供香,到了平安时期,宫廷中兴起空熏物的风俗,也即用焚香熏房间或衣物。
武家社会になると香の癖好も一変し、複雑で濃艶な香りからひとつの明白優雅な香りを聞く(聞香)ようになり、その味わいに文学的な雅境を見出そうとする日本固有の「香り文化」が登場します。室町時代に、香木をたいて香りを鑑賞する遊びとして香道が確立され、三條西流(御家流)と志野流が香道の中心となって今日に及んでいます。
进入武家社会后,日本人对香的癖好出现了转变,从过去的复杂与浓艳转向了清新与淡雅,在这种香气里,他们寻求一种文学性的高雅,于是,日本固有的香文化就诞生了。在室町时期,出现了焚香后鉴赏香味的游戏,香道由之确立,其中三条西流与志野流成为香道的中心,一直流传至今。
香道では、六国(りつこく)といって、六種類の香木を用いて組香(くみこう)をつくり、香席で順にまわして香をかぎ分け、香の組み合わせを当てたり、香を一つずつ順番にまわして、その香の名前を当てたりして楽しみます。
香道中有六国的说法,即用六种香木进行组香,在香席上,人们或顺次嗅闻香味,推断香木的搭配,或按次序传递香木,预测其名字,享受乐趣。
庶民が香料を化粧に用いるなど、身近な存在となるのは江戸時代です。江戸初期の庶民は、芳香化粧品として「伽羅の油」や「花の露」と呼ばれる鬢付け油を愛用していましたが、中期になると香油が芳香化粧品の中心になり、後半期には化粧水が誕生します。
平民运用香料化妆最早要上溯到江户时期。江户初期,伽罗油、花露等鬓发油是平民喜爱的芳香化妆品,到了江户中期,香油成为芳香化妆品的中心,江户后半期则出现了化妆水。
平賀源内は、『物類品隲』の中でランビキ(蘭引)という蒸留器を使った「薔薇露」の作り方を紹介しています。文化10(1813)年の女性の教養書『都風俗化粧伝』ではランビキがない場合の「花の露の取り方」としてヤカンと茶碗を使って化粧水を作る方法が紹介されています。江戸下町の薬屋を通して、化粧水が広く出回っていたことがわかります。 江戸末期から明治初期にかけて舶来の香水が紹介され、明治5(1872)年以降は香水(においみず)として、「桜水」「白薔薇」などと名づけられた国産の洋風フレグランスが相次いで発売されます。政府の欧化対策の影響で化粧が洋風化したこともあり、香水(フレグランス)需要は急速な伸びを見せます。日露戦争を前後して庶民の髪型や化粧にも変化が現れ、洋風化粧に伴った化粧品が普及します。
平贺源内在《物类品鉴》中介绍了运用蒸馏器兰引制作蔷薇露的方法。文化10年(1813年),在女性修养手册《都风俗化妆传》中又介绍了没有兰引时制作化妆水的方法,即提取花露法,采用茶碗和水壶。在江户下町卖药郎的兜售下,化妆水广为传播。江户末期到明治初期,舶来香水传至日本,明治5年(1872年)以后,一系列被称为樱水、白蔷薇的国产洋风香水相继在市场上出售,它们被称为香水(においみず)。由于政府欧化政策的影响,人们在化妆上热衷效仿西方,对香水的需求飞快增长。日俄战争前后,平民的发型与化妆都出现了变化,伴伴着西式化妆的风行,化妆品逐渐普及开来。
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