むかしむかし、高知県の須崎市(すさきし)というところに、金という、とても力持ちな男がいました。
很久很久以前,在高知县的须崎市有个力大如牛男子叫大金。
ある日の事、村で相撲大会が行われたのですが、これにどこからかやって来た大男が飛び入りで参加したのです。
有一天,村里举行相扑大会,不明白从哪里来了个大汉临时报名参加了。
その大男はとても強く、村人がいくらかかっても相手になりません。
这大汉特别强壮,村民们都不是他的对手。
このままでは、その大男が優勝してしまうでしょう。
如果这样下去的话,那大汉就必胜无疑啦。
そこで村人たちは話し合って、金の所へ行って、相撲大会に出てくれるように言ったのです。「金よ。いま相撲大会をしているのだが、飛び入りの大男がとてつもなく強くて、このままでは優勝するじゃろう。村人以外の者が優勝しては面白くない。そこでお前に、相撲大会に出てもらいたいのじゃ」
村民商量了一下,就去找大金劝他参加相扑大会。「大金。现在正在举行相扑大会,有个中途加入的大汉力气特别大,这样下去的话他就赢定了。让本村以外的人赢了真实是让人快乐不起来啊。所以,能不能请你参加相扑大会啊」。
すると、それを聞いた金は、「なるほど。おれは、おれが相撲大会に出ても簡単に優勝してしまうので、それでは相撲大会が盛り上がらんと遠慮しておったのじゃが、そう言う話なら、喜んで出てやろう」と、言うと、裏山で竹をへし折って手でしごくと、それをたすきにかけて出かけました。
听到村民们这么说,大金就说道「原来如此。我是因为参加相扑大会就能轻易取胜,担心这样会使相扑大会没有气氛,所以才没有参加的。既然你们这么说了,那我很乐意参加」。他从后山折了根竹子,拿在手里挥动了一下,然后挂在腰间出门了。
さて、相撲大会の場では、金が来たいうのでいっぺんに盛り上がりました。「金、負けるな!」「ついでに大男も、がんばって殺されるなよ」
相扑大会因为大金的到来气氛一下子高涨起来。「大金,不要输给他。」「大汉,你也要加油别被杀了哦。」
さて、いざ相撲が始まると、金はその大男のまわしをぐいっと掴んで、軽々と頭の上に持ち上げたのです。「さあ、勝負はついたな」金が頭上の大男に言うと、大男は首を振って、「まだまだ。相撲は、体が地面に着くまでは負けではない!」と、言うのです。
相扑一开始,大金就用力抓住那大汉的兜裆布,轻而易举地就把他举到了头顶。「那么,胜负已分了」大金对头上的大汉这样说道,大汉却摇头说道「还没有呢。相扑在没有落地之前就不算输」。
そこで金が、頭上の大男を土俵にぶちつけると、「ぎゃふん!」と、大男は気絶してしまいました。
于是大金就把头上的大汉摔在台上,「认输吧!」大汉就昏了过去。
さて、この金には妹がいるのですが、その妹も、ねじ金の様に力が強いので、年頃になってもだれも嫁にもらおうとはしませんでした。
再话说那大金还有个妹妹,那妹妹也因为和大金一样力大如牛,到了年纪也没有人来提亲。
そこで妹も、お嫁に行くのをあきらめていたのですが、ある日の事、金持ちの若旦那が、その妹を嫁に欲しいと言ってきたのです。
于是,妹妹就放弃了出嫁,有一天,有钱人家的大少爷想要娶妹妹。
そして、嫁に行って間もなくの事です。嫁ぎ先の旦那が庭先でお風呂に入っていると、急に雨が降ってきました。
那是发生在结婚后不久的事,少爷在院子里洗澡,突然下雨了。
そこで妹は、「雨がかかると、体に悪いですよ」と、旦那を風呂釜ごと持ち上げて、家の軒下へと運んでしまったのです。
于是妹妹想着「如果淋了雨,会生病的」。就扛起装着丈夫的洗澡盆,搬到了屋檐下。
すると旦那は、「我が嫁ながら、なんて恐ろしい」と、妹を実家へと帰らせたのでした。
这样一来,少爷说道「这做我妻子,真实是有点恐怖」。就让妹妹回了娘家。
すると、妹のお母さんは妹を叱りつけて、こう言いました。「だからわたしは、お前に力を隠せと言ったんじゃ。女と言うものは、か弱くなくてはいかん。このわたしの様に」
妹妹的母亲就责备妹妹,对她这样说道「所以我不是和你说过,让你不要显示出你的力量。所谓女人,就应当是柔柔弱弱的。就像我一样」。
そしてお母さんはそう言いながら、思わず、そばにあった鉄の火箸をバラバラに引きちぎったと言うことです。
母亲一边这样说着,一边不能自己地把旁边的铁火钳掰得粉碎。
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